お仕事

川見という文化を札幌最強のコンテンツに。

 

コロナが世の中を変える前年(2019年)、この【豊平川の川見】は3回目の開催で1万3千名(2日間)を動員。地域にとって、夏の風物詩として定着しつつありました。

今回は、どんな思いから【豊平川の川見】
が始まったのか?そんなお話しをしたいと思います。

〜川見が始まった理由〜

「本当にもったいないな」

私は豊平川を見るたび、ずっとそう思っていました。

日本で5番目の人口を有する200万都市である札幌。そのど真ん中に流れる一級河川が「豊平川」です。

都会にありながら、自然を残している美しい川。都会のど真ん中にありながら、鮭が遡上できる綺麗な川。

200万都市の中心部であるススキノから歩いて行くことができる豊平川の河川敷に、

・たくさんの人が交流していたら
・夢を持ったストリートミュージシャンが集まっていたら
・恋人たちや家族が思い思いに時間を過ごしていたら
・鮭の遡上が見られる「鮭の通り道」ができたら

そんなことを考えるだけでワクワクしませんか??

この世界に誇るコンテンツになる可能性に
溢れた素晴しい川であるにも関わらず、

特定のスポーツとイベントの時だけし
か河川敷が活用されていないことが
「本当にもったいない」と思っていました。

そんな思いを抱えながら過ごしていましたが、2017年に「もしかしたらできるかもしれない!」と思えるチャンスが巡ってきたのです。

そのチャンスとは、私が所属していた
『 一般社団法人 札幌青年会議所(JC)』において

2017年度の理事長の指名をいただけたことです。

(札幌青年会議所(JC)については、
「まちを変える力を持っている団体」
ということだけお伝えして、

詳しい話はまた機会があれば
書きたいと思います)

青年会議所メンバーの総力を結集し、
今まで前例がなかった豊平川の河川敷
(幌平橋)の活用方法を考え抜きました。

その結果、『川の近くで人が集まり、アルコールをふくむ飲食を楽しめる機会にする』という本当にシンプルな形にしました。

その中では飲食販売などの出店も行ないました。また、冬を彩る大通公園のイルミネーション電球をお借りし、幌平橋もライトアップしました。

開発局や札幌市の後援もいただいた
画期的な取り組みだったため、

テレビや新聞など多くのメディアにも
取り上げていただきました。

広告費はほとんど掛けなかったにも
かかわらず、初年度は2日間で3,000名以上の
来場者を動員しました。

2年目の2018年で6,000名以上、
そして3年目の2019年で1万3千名を超える
動員となりました。

開催時期は、お盆前後です。

ご来場いただけた方々からは、口々に

「最高!」「気持ちいい!」
「こんなイベントがあれば良いと思っていた!」

と川で涼みながら飲食することの楽しさを実感していただけました。

開催前にも、毎日のように幌平橋を通る方から

わざわざ「絶対に行きます!」と声をかけて
いただけたことも少なくありません。

また、当日は、たくさんの人がいることで、
流れのない川の水溜りで遊ぶ家族の姿も
たくさん見受けられました。

幌平橋をイメージできる方はわかると思いますが、橋の真ん中にも面白い階段があります。

普段は誰も登りませんが、川見の時には
たくさんの人がその階段を登って
いつもと違う風景を楽しんでいました。

不思議な言い方にはなりますが、
特定の目的を持って集まっていないことで、

河川敷や橋を楽しむ人、それを眺める人、
そこにいる全ての人が楽しめる【場所】
になりました。

言葉にすると、「川のそばで楽しむ」という
本当に単純なイベントですが、

それが今までできなかったのも
また事実です。

でも【川見】という前例を作れば、
その川は、いつでも誰でも『ゴザと飲食物』を持っていけば楽しめる【場所】になるのです。

私は、前例を作りたかった。
活用例を作りたかった。

地域にある『景観の使用方法』
とも言えるかもしれません。

それを実現ために一番重要なのは、
『誰が来るとか、何かがある』を目的にするイベントを
開催するのではなく、

『自然や生活様式、慣習』に根ざすことを
目的とする【文化を】作ることでした。

『川の周りに集まって楽しむ』という
【文化】を。

〜川見という名前を付けた理由〜

人が住んでいる近くには川があります。

ゴザなんかを持って、川の近くで
せせらぎを聞きながら、
涼みながら、
飲食を楽しむ。

そんな行事があれば、もっと川は
愛される【場所】になる。

人がたくさん集まる【場所】になれば、
もっと川は安全な【場所】になる。

人が集まれば、そこから新しい経済や
イベントが生まれていく。

人が集まれる【場所】を作れば、
【場所】の使い方もわかる様になる。

でも実際は川の周りに集まる習慣や使用例が
札幌にはなかった。

「無いなら作ろう!」

そんな意気込みをもって【川見】という言葉を作り、文化として根付かせるために2017年
に始めました。

川見は造語です。

春は花見、秋は月見、冬は雪見。
夏だけ”見る”という文化がない。

しかしながら、夏に見るものが無いはずは
ありません。

夏の暑い日とか、天気が良い日に

「今日は川見日和だね」

という言葉が当たり前にある札幌にしたい。

でも前述した様に、イベントを作っても
誰かがずっと責任を持って監視していかないと主旨もずれていくし、

そもそも無くなってしまうことの方が
確率は高いと考えました。

必要なのは、【文化】にすることです。

【文化】を通じて、地域の人々の慣習にすることです。

そのために必要なのは
『川見が何のために開催されるのか』
という目的です。

結論としては、
『先祖への感謝、まちの礎になった川への
敬意を表す』行事にすることでした。

まだまだ3回しか開催できていないので、
まだ目的通りにはなっていませんが

そこに辿り着くまで諦めずに頑張っていきたいと思っています。

川見実行委員会は2022年から法人化し、
試行錯誤しながら文化になるまで挑戦を続けます。

興味のある方がいたら一緒にやりましょう!

いつもは次に書く内容に触れて終わっていますが、今回は内緒にしておきます。

まだ決まってないだけかもしれませんが(笑)

楽しみにしてくれている人が
一人でもいたら嬉しいです。

神代 晃嗣

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